椎名林檎をスターダムに押し上げた99年リリースの楽曲をトリビュート。原曲のヴォーカルをサンプリングしながら、MUMMY-Dと宇多丸がその言葉に応えるような構成が印象的。重く沈むようなMummy-D(Mr.Drunk)によるトラップ・ビートも新鮮。

RHYMESTER「勝算(オッズ)session with ゴスペラーズ」やゴスペラーズ「ポーカーフェイス feat. Rhymester」と古くから繋がりのある両者の15年ぶりのコラボ。大人のエロスを感じるR&Bナンバー。

ドラムなしのノン・ビートで構成された原曲に、タフなブレイク・ビーツをターンテーブルの上でミックスしたような構成で、ヒップホップの初期衝動を感じる一曲。宇多丸は加山雄三が映画やドラマで演じた役名をひたすら織り込む。

スキマスイッチの楽曲をリアレンジしたアルバム「re:Action」に収録。DJ JINがトラックアレンジを主導し、Mountain Mocha Killimanjaroともに70年代ブラック・ムーヴィーの主題歌的な景気の良いファンク・ナンバーに仕上げた。

いとうせいこうとヤン富田が生み出したヒップホップ・クラシック「MESS/AGE」に収録された楽曲を、RHYMESTERの2MCは完コピに近くカヴァーし、トラックも原曲を再構築するような構成で組み上げ、オマージュを捧げた。

KIRINJIの生み出す、10秒ごとにコード進行やフレーズが変わるカラフルな楽曲に、RHYMESTERは人類の誕生から宇宙、そしてラブホテルまで繋げる壮大なラップでアプローチ。これがRHYMESTER「Diamonds feat. KIRINJI」の制作に繋がる。

ロック・シーンを20年以上にわたって牽引する10-FEETとは、10-FEET主催フェス「京都大作戦」、RHYMESTER主催フェス「人間交差点」とお互いのフェスにも行き来する仲。2012年リリースの彼らのアルバム『thread』収録楽曲を、カオティックかつキャッチーに再構築し、RHYMESTER流のミクスチャーで彩る。

2013年に急逝したDJ／プロデューサー、キエるマキュウのメンバーとして活躍したMAKI THE MAGIC。公私共に関係性の近かったRHYMESTERとKOHEI JAPANが、彼への想いを、彼が遺したビートに塗り込めた。

MUMMY-Dの実弟であるKOHEI JAPAN。RHYMESTER「ブラザーズ　feat. KOHEI」などコラボは少なくないが、KOHEI JAPAN作品に「RHYMESTER」名義で参加するのはこの曲が意外にも初。逆再生などを使ったドラマティックなトラックに、大人の決意を落とし込んだ強度の高い一曲。

レゲエ・シンガー：leccaとのコラボ作。DJ JINもアレンジメントに参加したダンスホールビートに乗せて、反復するフロウを刻む宇多丸、ビートの変化に合わせてアプローチを変えるMUMMY-Dのラップが興味深い。

軽やかにスウィングするSOIL & “PIMP” SESSIONSのジャズ・ビートに、RHYMESTERがラップ／スクラッチでグルーヴーに絡み、SOILのサウンドとまさに対話／会話するような、丁々発止が心地よいビッグ・チューン。

「ラッパーという夢もあった」とインタビューでも話すベボベの小出祐介とRHYMESTERがタッグを組んだ一曲。お互いのエモーションをスパークさせ、次の段階を渇望するような、激しい熱情の迸る熱さが心地よい。

東日本大震災から約半年後に制作された本作。「そしてまた歌い出す」の続編的な部分もあり、「人間が歌うという希望」について丁寧に描き出している。プロデュースは「ONCE AGAIN」などを手がけたBACH LOGIC。

B-FRESH POSSEのメンバーとして日本のヒップホップの黎明期から活動し、今なお現役のDJ SEIJI。出会いは30年近く前に遡るという両者の、ヒップホップ黄金時代を感じさせるタイトなビートとラップの掛け合いは王道かつスリリング！

この曲のリリース当時は3MC＆1DJで活動していいたRomancrewへの客演作。DJ JINのラップ参加も含めてRHYMESTER「紳士同盟」と構成は同じだが、こちらは明るいジャズ・テイスト。ラップもライトなポッセ・カット感がある。

「HEAT ISLAND」収録の「音楽は素晴らしい」の続編的な一曲だが、ホーン・セクションやコーラス、ブレイクの追加など、華やかでキャッチーな構成になっている。それに伴い歌詞やラップ・リリックも変化しているので、その内容の違いも聴き所。